着物をたたむ時は、左が肩・右が裾になるように広げます。まず、脇線に沿って、裾から60cm位を折り返します。

下前のおくみを、おくみ線の部分（点線のところ）で手前に折り返します。たたみながら「手アイロン」でシワを伸ばしていくときれいにたためます。

左手で上前の衿下（Ａ）を、右手でつま先（B）を持って、先ほど折り返した下前のおくみの上にきっちりと重ねます。

両手で上前の脇縫いを持ち、下前の脇縫いの上に重ねます。上前の脇縫いを持ち上げすぎると余分なシワができるので注意しましょう。

裾を仮たたみし、全体を右にスライドさせ、腰回りの部分が自分の正面に来るようにおきます。

まずは、下前衿をおくみ線から綺麗に折返し、空気を抜くようにたるみやシワを取ります。

さらに上前の衿先と下前の襟先をぴったり合わせて衿を重ねます。

重ねた衿がずれないようにしながら、左手の指先を衽線に沿わせて左へスライドさせます。

広衿を開き、肩山と衿の交点と背中心で、きれいな二等辺三角形を作るように衿を内側に折り込みます。

⑨の★印同士がぴったりと重なるように肩山と衿の交点をきれいに整えたら、左手で★印の所を、右手で両方の衿先を持って衿の布目を通します。

上前を下前と合わせ、さらに肩山から背中心の布目を通してたるみを取ります。

両袖の袖付けから振りの先までを脇縫いと合わせて両手で持ち上げ、そのままサッと軽く振り、下前の袖を着物の下に折り込みます。

左手でたたんであった裾をつかみ、右手でえり先のあたりを押さえて折り返します。

全体にしわやたるみが無いか確認して終了です。

手先を20cmほど折り返します。
※この20cmが肝で、通常の袋帯であれば、前柄もお太鼓にも折線が入らなくなります。

その上に、たれ先を重ね合わせて半分に折ります。

そのまま左にできた輪を右の端に合わせて折り重ねます。

柄を表に出す場合は、最後に山折りにしてたたみます。

これでお太鼓の部分には折れ目ができません。

右にタレが来るように。お太鼓部分を裏面にしておきます。三角の頂点からお太鼓部分の50〜60㎝を自分の正面にします。

三角の頂点から、写真のように手を片側に折返します。
三角形の頂点はきちんと折っておきましょう。

20㎝控えた所を頂点に、折り返しの三角を作ることで、タレ先に余計なシワができなくなります。

手先は三角形の底辺に被らない様に３㎝程隙間を作り、手先の余分な部分はタレの方に折り返す。

左側の三角形を内側に倒します。

右側の三角形が崩れないように、左手で押さえながら、点線の位置からタレを折り返します。

折り返す位置によっては、タレが重ならない事もありますが前柄•太鼓•タレに折り目がなければok。

帯によっては前柄の位置が右にあって、折れてしまうケースもあります。

そんな時は、三角の部分で長めに折り返して長さを調節してみましょう。

こんな感じで折り返し、長さを調節します。

これで前柄の位置が折れ目のない位置に修正できました。
あとは同様です。

着ようと思って出してみたら、あらあらシワが…。簡単な着用シワの取り方。アイロン掛けをお教えします。

シワの上に乾いたタオルを２枚重ねになるようにして当て布します。
・スチームや霧吹きは厳禁。

そのタオルの上に、水で濡らして絞った小さめのタオルを乗せます。

濡らしたタオルの上に、高温のアイロンを「ジュッ」と、円を描くように、浮かせ気味にかけて蒸気を散らします。

「浮かしアイロン」が基本。
あくまでも、濡らしたタオルの表面を滑らせるように「少し浮かせて」アイロンをかけます。

当て布のタオルを浮かせて手を入れて湿気を感じたら、蒸気が届いている証拠です。

濡らしたタオルを外して、今度はアイロンの重さをかけながら２枚重ねのタオルの上からアイロンをかけます。

上のタオルが乾いたら、１枚外して、残った１枚のタオルの上から同じように。力は入れずにアイロンを滑らせます。

タオルをめくりながら、シワの様子を確認しながらアイロンがけを続けます。

シワ取り完了！
高温でかけるのは、あくまでも当て布の上から湿った状態のみ。乾いた状態ではテリの原因になります。

ドラッグストアで買える「リグロイン」（ベンジン）と、深さのある器、ガーゼorさらし、白いタオルを用意します。

白いタオルを写真のように細長くたたんで縦におきます。このタオルに汚れを移し取ります。

衿の汚れ取りのポジション。まずは、タオルの上に写真のように衿を縦にのせます。

この時、お腹で衿の下の方を押さえておくと作業がしやすくなります。

リグロインを器に入れます。
部屋の換気には十分に気をつけてください。（ファンヒーター等は一時的にガス臭くなる時があります。）

さらしをリグロインに浸します。リグロインの量が少ないと生地を痛めるので、ビックリする位たっぷりと染み込ませてください。

衿を引っ張って伸ばし、汚れ部分をさらしで「シュッシュ」とこすります。水でこすると一発で痛む生地もリグロインでは痛みません。ご安心ください。

汚れは一度では取れません。強い汚れは「トントン」と、叩くようにしてタオルに汚れを移します。

表の汚れは裏にも移ります。輪ジミにならないように、生地を持ち上げて裏も「シュッシュ」とこすっておきます。

ドライヤーで乾かしながら汚れの取れ具合を確認します。生地を浮かせて、表裏両面に風が当たるようにすると輪ジミができにくくなります。

衿ふきのポイントは「際（きわ）」と呼ばれる輪ジミの消し方。リグロインをたっぷりと浸け、大きくぼかすように「シュッシュ」と拭いてください。

お手入れ完了！
ファンデーションや皮脂汚れは思ったより簡単です。ぜひお試しください。（※きわが目立つ場合等はご相談ください）